はじめに
英語を学ぶ大人の初心者は多いですが、仕事や家事に追われて思うように勉強時間が取れないという悩みを抱えている人も少なくありません。しかし、勉強法を工夫すれば、忙しい毎日でも着実に英語力を伸ばすことができるのです。
英語を学ぶ際には、自分に合った学習法を見つけることが大切です。他人の成功例をそのまま真似しても、同じ結果が得られるとは限りません。年齢や学習環境、目的などによって、最適な勉強法は人それぞれ異なるからです。
また、英語学習では継続することが何より重要です。無理のない目標を設定し、コツコツと積み重ねていく習慣を身につけましょう。たとえ1日10分でも、毎日続けることで大きな成果につながります。
本記事では、大人の英語初心者におすすめの効率的な勉強法を、「単語・熟語」「文法」「リーディング」「リスニング」の4つのスキルに分けて詳しく解説します。また、スキマ時間を有効活用できるWebサービスやアプリ、初心者向けの本も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
大人の初心者が英語を勉強するうえで把握すべきこと
1. インプット学習の比重を多くする
英語学習において、初心者が最初に focus すべきは、アウトプット(話す・書く)よりもインプット(読む・聞く)です。語彙や文法、リーディング、リスニングといったインプット学習に重点的に取り組むことで、英語の基礎力を効果的に身につけることができます。
インプット学習に偏重しすぎるのもよくありませんが、初級者のうちはインプットを多めに行うことを意識しましょう。徐々にアウトプットの比率を増やしていけば、バランスの取れた英語力を養成できるはずです。
To improve my English skills, I will focus more on input activities like reading and listening.
トゥー インプルーブ マイ イングリッシュ スキルズ、アイ ウィル フォーカス モア オン インプット アクティビティーズ ライク リーディング アンド リスニング。
英語力を向上させるために、読解やリスニングといったインプット活動により重点を置きます。
2. 他人の学習法をうのみにしない
英語学習本やインターネットには、さまざまな「効果的な学習法」が紹介されています。しかし、それらをうのみにして真似しようとしても、うまくいかないことが多いのです。
英語の習熟度や目標、ライフスタイルは人それぞれ。自分に最も合った学習法を見つけることが大切です。いろいろな勉強法を試してみて、自分に合ったものを選ぶことが上達への近道と言えるでしょう。
3. 達成しやすい目標を設定する
英語学習では、明確な目標を持つことが重要です。ただし、最初から高すぎる目標を設定してしまうと、挫折してしまう恐れがあります。
まずは、自分が無理なく達成できそうな目標から始めましょう。例えば、「1日10個の単語を覚える」「毎日10分間リスニングをする」など、具体的でシンプルな目標を立てることがポイントです。
I will set a small, achievable goal of learning 5 new phrases every week.
アイ ウィル セット ア スモール、アチーバブル ゴール オブ ラーニング ファイブ ニュー フレーズィズ エブリ ウィーク。
私は毎週5つの新しいフレーズを学ぶという、小さくて達成可能な目標を設定します。
目標が達成できたら、徐々にレベルアップしていきましょう。小さな成功体験を積み重ねることが、モチベーションを維持するためにとても大切なのです。
4. スキマ時間のあいだに勉強する
英語学習に割ける時間がなかなか取れないという人も多いでしょう。そんなときは、1日の中にある「スキマ時間」を有効活用しましょう。
例えば、通勤電車の中や昼休みの時間を使って、単語や英文を読んだり、英語の音声を聴いたりするのです。わずか10分でも、毎日続けることが何より大切。こつこつと積み重ねていけば、気づいたときには英語力が確実に向上しているはずです。
I will make use of my free time by listening to English podcasts during my commute to work.
アイ ウィル メイク ユース オブ マイ フリー タイム バイ リスニング トゥー イングリッシュ ポッドキャスツ デュアリング マイ コミュート トゥー ワーク。
通勤時間を利用して、英語のポッドキャストを聴くことで空き時間を有効活用します。
単語・熟語の効率的な勉強術
英語を学ぶ上で、単語や熟語の習得は避けて通れません。しかし、ただ闇雲に暗記しようとしても、なかなか身につかないもの。そこで、効果的な単語・熟語の学習法を見ていきましょう。
まず、単語を覚えるコツは、1日に20〜50語程度の単語を1セットにして集中的に学習することです。セット内の単語を発音しながら、英単語と日本語訳を見て覚え、すぐに思い出せるようになるまで何度も復習します。
I will focus on learning this set of 30 words until I can recall their meanings instantly.
アイ ウィル フォーカス オン ラーニング ディス セット オブ サーティー ワーズ アンティル アイ キャン リコール ゼアー ミーニングス インスタントリー。
意味をすぐに思い出せるようになるまで、この30語のセットを集中的に学習します。
また、毎日新しい単語を学ぶだけでなく、前日に学習した単語の復習も忘れずに行いましょう。一度覚えた単語でも、復習しないとすぐに忘れてしまうものです。継続的に復習することで、単語を長期記憶に定着させることができます。
I will review the vocabulary I learned yesterday to reinforce my memory.
アイ ウィル レビュー ザ ボキャブラリー アイ ラーンド イエスタデイ トゥー リインフォース マイ メモリー。
記憶を強化するために、昨日学んだ語彙を復習します。
熟語の学習では、単なる丸暗記ではなく、熟語の背景にあるイメージを理解することが大切です。例えば、"raining cats and dogs"という熟語は、「猫や犬が降ってくるほどの大雨」というイメージから生まれた表現です。このようなイメージを思い浮かべながら覚えることで、熟語の意味を忘れにくくなります。
I will try to understand the underlying image of each idiom, like "a piece of cake" meaning "very easy".
アイ ウィル トライ トゥー アンダースタンド ジ アンダーライイング イメージ オブ イーチ イディオム、ライク "ア ピース オブ ケイク" ミーニング "ベリー イージー"。
「a piece of cake」が「とても簡単」という意味であるように、それぞれのイディオムの根底にあるイメージを理解するようにします。
『英熟語の鬼100則』などの参考書を活用すれば、効率的に熟語を学ぶことができるでしょう。
文法の効率的な勉強術
英文法は、多くの日本人学習者にとって最も苦手とする分野の一つです。複雑な規則の丸暗記に頼ってしまいがちですが、それでは使える文法力は身につきません。
英文法を効果的に学ぶためには、「認知文法」のアプローチがおすすめです。認知文法では、英文法を「イメージ」で理解することを重視します。文法規則を日本語に置き換えるのではなく、英語のままで直感的に理解するのです。
例えば、現在進行形の "be + -ing" は、「今まさに進行中の動作」を表します。このイメージを頭に思い浮かべながら英文を読むことで、自然と文の意味が理解できるようになります。
The bus is coming. I can see it from here.
ザ バス イズ カミング。アイ キャン シー イット フロム ヒアー。
(バスが来ています。ここからそれを見ることができます。)
このように、英文法をイメージで理解することで、日本語に訳さなくても英文の意味を素早くつかめるようになるのです。
認知文法のイメージを身につけたら、例文を使った「パターンプラクティス」で定着を図りましょう。例文の主語や動詞を入れ替えながら、同じ文型を繰り返し口に出す練習です。
I am cooking dinner. → She is cooking dinner. → They are cooking dinner.
アイ アム クッキング ディナー。 → シー イズ クッキング ディナー。 → ゼイ アー クッキング ディナー。
(私は夕食を作っています。 → 彼女は夕食を作っています。 → 彼らは夕食を作っています。)
パターンプラクティスを繰り返すことで、英文法が自然と口から出てくるようになります。スピーキング力の向上にもつながるでしょう。
文法学習におすすめの参考書としては、『英文法の鬼100則』や『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』などが挙げられます。
リーディングの効率的な勉強術
英文を読む力を養成するには、「チャンクリーディング」という読解法が効果的です。チャンクとは、意味のまとまりのことを指します。英文をチャンクごとに区切って読み進めていくのです。
日本人学習者は、一語一語の意味を考えながら英文を読む傾向にあります。しかし、そのような読み方では、スムーズに内容を理解することができません。チャンクリーディングを意識することで、英文の意味を素早くつかめるようになります。
I have [a lot of] [things] [to do] [today], [such as] [going to the bank] [and] [buying groceries].
アイ ハブ [ア ロット オブ] [シングス] [トゥー ドゥー] [トゥデイ]、[サッチ アズ] [ゴーイング トゥー ザ バンク] [アンド] [バイイング グロッサリーズ]。
私は今日、銀行に行ったり食料品を買ったりなど、やることがたくさんあります。
チャンクに区切られた英文は、日本語に置き換えやすくなります。しかし、最初から日本語に訳すのではなく、チャンクごとにイメージを膨らませながら読み進めていくことが大切です。そうすることで、英文の内容がスムーズに頭に入ってきます。
チャンクリーディングの練習を積んだら、次は「音読」にも挑戦しましょう。英文を声に出して読むことで、英語の語順やリズムが体に染み込んでいきます。黙読よりも脳への負荷が高いため、より効果的に英文を理解できるようになるのです。
Reading aloud helps me understand English sentences more effectively than silent reading.
リーディング アラウド ヘルプス ミー アンダースタンド イングリッシュ センテンシズ モア エフェクティブリー ザン サイレント リーディング。
音読は、黙読よりも私が英文を効果的に理解するのに役立ちます。
音読の練習法としては、『アルゴリズム音読』などの参考書がおすすめです。段階的な音読トレーニングを通して、英文読解力を効率良く向上させることができるでしょう。
リスニングの効率的な勉強術
英語を聞き取る力は、リーディング以上に多くの学習者が苦手意識を持っている分野です。しかし、正しいトレーニング法を身につければ、誰でも着実にリスニング力を伸ばすことができます。
まずは、英語の「音声変化」のルールを学ぶことから始めましょう。英語の発音は、単語が連なることで大きく変化します。例えば、"want to" は "wanna"、"going to" は "gonna" となるように、音が縮約されて発音されることがよくあります。
このような音声変化のルールを理解することが、リスニング上達の第一歩です。単語レベルの発音だけを学んでいては、ネイティブスピーカーの自然な英語が聞き取れるようにはなりません。
『5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れる』などの参考書を活用して、音声変化のパターンを身につけておきましょう。
If I understand the rules of pronunciation changes, I will be able to catch natural English spoken by native speakers.
イフ アイ アンダースタンド ザ ルールズ オブ プロナンシエーション チェンジズ、アイ ウィル ビー エイブル トゥー キャッチ ナチュラル イングリッシュ スポークン バイ ネイティブ スピーカーズ。
発音変化のルールを理解できれば、ネイティブスピーカーが話す自然な英語を聞き取ることができるようになります。
音声変化のルールを学んだら、実際の英語音声を使ったトレーニングを積みましょう。効果的なリスニングトレーニングとしては、「ディクテーション」と「シャドーイング」が挙げられます。
ディクテーションは、英語音声を聞きながらそのまま書き取るトレーニング方法です。聞き取れない箇所が明確になるため、自分の弱点を把握することができます。
I will practice dictation to identify which parts of the spoken English I struggle to understand.
アイ ウィル プラクティス ディクテーション トゥー アイデンティファイ ホイッチ パーツ オブ ザ スポークン イングリッシュ アイ ストラグル トゥー アンダースタンド。
話された英語のどの部分が理解できないのかを特定するために、ディクテーションを練習します。
一方、シャドーイングは、英語音声を聞きながらそれに続いて発音するトレーニング法です。英語の音のまとまりを意識しながら声に出すことで、リスニング力とスピーキング力の両方を同時に鍛えることができます。
Shadowing helps me improve both my listening and speaking skills at the same time.
シャドーイング ヘルプス ミー インプルーブ ボース マイ リスニング アンド スピーキング スキルズ アット ザ セイム タイム。
シャドーイングは、リスニング力とスピーキング力の両方を同時に向上させるのに役立ちます。
初心者におすすめのシャドーイング教材としては、『新ゼロからスタートシャドーイング 入門編』などがあります。レベルに合わせて無理なく練習を進められるでしょう。
英語学習に役立つWebサービス・アプリ
英語学習では、自分に合った教材やツールを使うことが何より大切です。オンライン上には、初心者にも使いやすい英語学習サービスが数多く存在します。ここでは、その中からおすすめのWebサービス・アプリを3つ紹介しましょう。
1. 「ENGLISH COMPANY MOBILE」
スマートフォン向けのWebサービス「ENGLISH COMPANY MOBILE」は、通勤・通学の移動時間などを利用して手軽に英語学習ができるサービスです。英字新聞の記事やTOEIC・TOEFL向けの問題など、豊富なコンテンツが用意されています。
単語やフレーズの意味を調べたり、音声を聞いたりしながら、リーディング力とリスニング力を効率的に鍛えられるでしょう。
2. 「Listening Hacker」
英語の音声変化が短期間で学べるおすすめのアプリが「Listening Hacker」(iOS/Android)です。発音変化のルールをわかりやすく解説してくれるだけでなく、実践的なトレーニングができるのが特徴。
アプリ内では、実際の英語音声を使ったリスニング問題に挑戦できます。自分の苦手なパターンを重点的に練習することで、リスニング力が大きく向上するはずです。
3. 「えいたんクエスト」
ゲーム感覚で英単語を学べるアプリ「えいたんクエスト」(iOS/Android)も、初心者におすすめのツールです。RPGのようなストーリー展開の中で、英単語クイズに挑戦していきます。
楽しみながら自然と単語力が身につくため、飽きずに継続的に学習を進められるでしょう。英単語の定着を図りたい人は、ぜひ試してみてください。
まとめ
本記事では、大人の英語初心者が効率的に学習を進めるためのポイントをまとめました。要点をおさらいしておきましょう。
- インプット学習(読む・聞く)を重視し、文法は「認知文法」のアプローチで理解する。
- 単語・熟語は1日20〜50語程度を集中的に覚え、文法は例文を使った「パターンプラクティス」で定着させる。
- リーディングは「チャンクリーディング」と「音読」を、リスニングは「ディクテーション」と「シャドーイング」を中心に練習する。
- 自分に合った学習法を見つけ、無理のない目標を設定して継続的に学習を進める。
- 役立つWebサービスやアプリ、参考書を有効活用する。
英語学習には正解がありません。自分に合ったペースで、コツコツと積み重ねていくことが何より大切です。小さな成功体験を積み重ねながら、着実に英語力を伸ばしていきましょう。
初心者の段階では、うまく言葉が出てこなかったり、聞き取れなかったりすることも多々あるでしょう。でも、それは誰もが通る道。くじけずに前を向いて、学び続けることが英語上達への一番の近道です。
No matter how difficult it may seem, I will keep learning and practicing English every day.
ノー マター ハウ ディフィカルト イット メイ シーム、アイ ウィル キープ ラーニング アンド プラクティシング イングリッシュ エブリ デイ。
たとえどんなに難しく感じても、私は毎日英語を学び続け、練習し続けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ぜひ本記事で紹介した勉強法を実践して、楽しみながら英語力を伸ばしていってくださいね。一緒に頑張りましょう!
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